引用元: ・胸がスーッとする武勇伝を聞かせて下さい!(97)
今年も例外ではなかった
毎年のように若作りしたババアがインターホンを何度も鳴らし「○○さーん、いらっしゃいまぁすかー!?」とけたたましい声で呼び出す
アパートに引っ越してから数年経つ俺の経験上、一度でも応対に出ないと死んでも帰らないタチだ。別の住人に至っては夜中まで張り付いて来た事もあるらしい
勧誘の対象者を普段から監視しているのだろう、住人一人ひとりが何時の時間帯に居るのか居ないのかは完全に把握しているらしい
詳しい実態は分からないが、円滑に勧誘したいが為にとにかく情報網が発達しているようだ
で、こんな事が数年も続くとなると流石に我慢が出来ない。何せ出るまで居座るというしぶとさだ。いい加減撃退したい所だ
口が達者でない上、気も弱い俺には論破で相手を追い払う事は困難
悩んだ末に一つの方法を思い付いた。自分も宗教信者のフリをして相手を混乱させてやろう
あまりに幼稚かも知れないが、これが結果的に効果覿面だった
ピンポーン。「○○さーん、居ますよねー?ちょっと大切なお話があるんですよぉ!」
さあ来た。どうせ出ないと帰ってくれないし意気揚々と玄関のドアを開ける
宗「あ、私『××王国』の△△と申しますー。○○さんにはご家族はおられますよねぇ?
先日東日本大震災が発生し、多くの人々が大切な家族を亡くされ、悲しい思いをしましたねぇ。改めて、家族の大切さと言うものを・・・」
台本を読み上げるように綺麗事を捲し立てるいつものババアだ
宗「・・・そこで○○さんにお聞きしたいのですが、貴方にとって家族とはどんなものだとお考えですか?」
そこで俺は答えた
俺「家族なんてね、奴隷のようなものですよ。お金や食べ物を貢がせ、老いた末には捨て去る」
さすがに怪訝な表情を浮かべた勧誘者。しかし何時もの調子で続ける
宗「では、そんな○○さんは、いつもご自分の為に尽くしてくれる家族の為に、何か恩返しをしたいと思いませんか?」
俺「だから奴隷なんだから恩返しなんて要らないですよ。家族は奴隷だ。オウム真理教の麻原尊師のお言葉だ」
恥ずかしながら、オウム(現在はアレフだが)信者のフリをしてみせた
オウムの教義に「家族は奴隷」などという教えは存在しなかったが、勧誘ババアはそれを丸っ切り信じ込んでいる様子
ダメ元で演じてみたものの、相手のウケが思いの外良かったのでもう少し遊んでみる事にしてみた
宗「オウムなんですか?あの松本智津夫の!?」
俺「そうですけど?ああ、松本智津夫ではなく、麻原彰晃。麻原彰晃尊師ですので。あんまり内部に関して干渉しないで貰いたいのですが」
宗「あぁ、ごめんなさい・・・ですが私たち『××王国』は今の時代に生きる人間に最も必要とされるイマジネーションや精神能力を・・・」
俺がオウムだと知ってから明らかに動揺している。「××王国」とやらの教えばかり取り込んでるせいで、他宗教についてはそこまで深く知らないようだ
宗「・・・ですから、ぜひ私たち『××王国』に入信し、この激動の時代を幸せに生き抜いていきましょう!」
俺「え?俺にオウムを脱会しろって言うんですか?尊師に無断で?」
宗「いえ、決してそんなつもりでは・・・」
俺「そんなつもりだよね?アンタの所に入信しろって事は、オウムを脱会しろって事でしょ?何が違うの?尊師を怒らせたいの?」
宗「ごめんなさい、そんな強制的な意味でなくてですね・・・」
ここで、今まで信者を演じていた俺が、初めて本音を吐く
俺「強制じゃねぇかよ!え?毎年毎年ここに来ては夜中まで張り付きやがってよ!
このアパートだけじゃない、この地域一帯同じようにしつこく勧誘してんだってな!違わないよな?
今までアンタの話適当に聞き流してたけどもう限界だわ、お前の所の宗教団体の住所教えろ!」
勧誘ババアは怯え切った様子。さっきまでの勢いは何処へやらw
宗「ゥ・・・じゃあ、こちらのパンフレット差し上げますので、こちらの裏表紙に当本部の住所が・・・」
ここで再び信者モード
俺「あーそうそう、アンタ達の勧誘ね、明らかに違法だから警察に通報しようと思うんだけど。いいよね?」
宗「え?あ、あの、違法だった・・・ですか?けど、それだけはちょっと・・・」
俺「ちょっとじゃないよー。それともお前んとこの総本山にサリン撒いたろか?尊師に報告すれば一発だからね。どっちがいい?」
宗「サリン?いや、それも困ります・・・」
ババアすっかり涙目w教祖も幹部も豚箱なのに本当にサリンなんか撒けるワケねえだろwww
俺「じゃあ警察な。そのうちそっちに捜査入ると思うから。じゃあね」
呆然と立ち尽くす勧誘ババアを尻目にドアを閉めた
その後、アパートに勧誘は来なくなり、付近の民家にも勧誘ババアが来た様子は無かった。サリンをすっかり信じてしまったみたいだw
でも違法は違法なのでもちろん警察に通報しておいた。これで二度と「××王国」とやらの勧誘が来る事はないだろう
変な茶々が入る前にGJしておく、お前はよくやった
スーッとした!おもしろかった!
オウムの知識があったのがよかったね。
万が一突っ込まれても安心で、強気に出ることができたんだろうね。
「あそこはオウムで…」って噂が広まるしあまりいいとは思えないな。
某塔の人達だったけど、嫁がプロテスタントで。
宗教戦争ってのはこういうことか。と思ってしまう凄まじい舌戦で、
最終的には塔の人が帰ってくれた。
嫁いわく、
「教えもしっかりしていないし、自分が理解も出来ていない、
そもそもただの信者の私が、口喧嘩できるレベルの人をよこすな。
全部納得させられて、教えを請いたいと思える人をよこせ、それが宗教だ」
らしい。
俺は嫁に「もったいないおばけ」と「九十九神」は信じていいよね。って確認しといた。
理屈は納得したと言っていた。
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