引用元: ・世界史ちょっといい話
った。身分を門番に伝えても規則ということで開けてもらえず、しかたがない
ので朝帰りをした光武帝は、自分を入れなかった門番に褒美を与えた。
東ローマのレオン6世がお忍びで夜の町を歩いていたところ、兵士に不審がら
れたので、金貨を渡したところ見逃してもらえた。
更に別の兵士と出会った際も、金貨を出すことで見逃してもらえた。
こういうことを何度か繰り返していたが、最後に会った兵士は金貨を出すと逆
に怒り出し、皇帝を鞭打って牢に入れた。
翌日、牢から出られた皇帝は金貨を受け取った兵士たちに罰を、自分を牢へ入
れた兵士に褒美を与えたという。
春日局が門限を破って大奥に戻ろうとしたところ、門番に遮られて帰ることが
出来なくなったので、冬の寒い夜を外で過ごす羽目に陥った。
翌朝、門番は信用出来る男という理由で誉められ、褒美を貰った。
ナポレオンの陣中において、不審な男を兵士が誰何したところ、要領を得ない
ので引っ立てられた。男はナポレオンであり、兵士を賞賛して警備を任せた。
に訪れたところ、それらしい屋敷の前で野良着をつけて後片付けをしている老翁
がいたので、「爺さん、東郷閣下のお屋敷はここか」と問うた。
すると老翁「そうだ」と言ったきり、振り向きもせず作業を続ける。
将校相手に態度がでかいのに怒って近づいてみると、老翁は東郷本人だった。
インドの騎兵三十人が、中央アジアのタタールの村を襲撃し、女も物も略奪 して回ったことがあった。
ところが、皆逃げ惑っている中で
一人だけ冷静な老婆がいて
「お前さんたち、悪いこと言わないから早くお帰りなさい。
もうすぐ娘が帰って来るが、そうしたらお前さんたち、おしまいだよ」
と言う。
だが、誰も本気にすることは無く、遂には老女自身も縛り上げ、馬の背 に乗せて連れ去った。
ところが、半里も行かない内に、後方を見ていた老女が喜びの声をあげた。
すさまじいばかりの砂煙と馬蹄の響きで、娘の帰還を悟ったのである。
娘はまず、遠くから奪ったものを置いて立ち去れば、命は助けようと言った。
そして、誰も本気にはしないと見るや、瞬時に三つ四つと矢を放ち、敵の騎兵を射落としてしまった。
インド人たちも矢を放つが、射程距離が違い過ぎて勝負にならない。
あっという間に半数が射殺され、残りも抜刀して突進して来た娘の手にかかり、全滅させられてしまったのであった。
夜中にアッバース大帝がお忍びで街を歩いていたら
変な男たちの三人連れに出会って意気投合。
彼らは実は盗賊団で、これから王の宝物庫を荒らしにいくという。
面白くなったアッバース大帝も着いていって、道々お互い自己紹介をする。
盗賊1「自分は動物の言葉が分かる」
盗賊2「自分はどんな鍵でも開けられる」
盗賊3「自分は一度見た顔は決して忘れない」
大帝「自分は実は絶大な権力を持っていて、
髯をちょっと捻るだけでどんな大罪人でも許すことができる」
途中で犬が吼えたのを聞いて盗賊1がいわく
「犬が言っている。『大金持ちはお前たちの中にいるのに、今宵お前たちは何処に行くのか』」
やがて庫に着くと盗賊2が鍵をこじ開けて四人で荒らしまわる。
翌朝大帝は王宮で兵士を呼びつけて昨夜の盗賊たちの人相を詳細に語って
「ひっ捕らえてまいれ!」と命令。
そこで三人の盗賊が捕まえられてきて、盗賊たちは顔を上げられずにがたがた震えている。
ところがそこで盗賊3がふと大帝の顔を見上げて驚いていわく
「俺たちは三人とも特技を披露した。今度はあんたが髯を捻ってくれ」
これ有名な「ちょっと」どころじゃない話だけど
パリ・コミューン崩壊の時、ヴェルサイユ政府軍に捕らえられた
コミューンの少年兵がいた。
即時銃殺になろうとして
少年兵曰く、
「お願いだから少し待って!近くの家に母さんがいるんだ。
最後のお別れをしたいんだ!必ず戻ってくる。行かせてくれ!」
政府軍の将校は「嘘を付いてそのまま逃げる気だな」と思いつつ
憐れに思って「一時釈放」してやった。
しばらくして、なんと少年兵は戻ってきた。
「さあ戻ってきたよ!撃てよ!」
ユゴーが伝えている話。
解放された息子が戻ってきたので、殺されずに済んだという話がありましたね。
(桑の実の話とは別)
以下、『大智度論』ほかにある説話ですが。
昔、実語(嘘をつかないこと)を心がけている須陀須摩という王がいた。
ある時この王が園に出ていると、空から翼を持つ鹿足という王が現れ、須陀
須摩王をさらっていってしまう。
鹿足王は、百人人の王の頭を神に奉げようとしていたのであるが、須陀須摩王が
「私は昔から嘘を言った事が御座いませんが、園に出る前に出会った婆羅門に
『帰ったら供養しよう』と言ってそのままになっておりますので、これを遂げさ
せて頂きたい」と訴えたところ、七日の猶予と共に返された。
無事供養を遂げた主に対し、周囲は「守りを固めてさらわれるように致しましょう」
と勧めたが、嘘をつきたくない須陀須摩王は鹿足王を待って身を委ねる。
鹿足王は感心し、更に教えを説かれたこともあって、改心したのであった。
類話は、実話から願望まで各所にありそうです。
○百人の(『仁王般若経』では千人)
○さらわれるように
×さらわれぬように
失敬。
「世界を荒らすのはどういうつもりですか」
と問うた
アレクサンダーはすこしも臆するところなく、
「海賊が海を荒らすのと同じだ。
ただ、私は国軍で他国と戦うから皇帝と呼ばれ、オマエは海賊船で商船を襲うから海賊と呼ばれるのだ」
と答えたという
果物売りの娘からツケで買っていた。
やがて学校を卒業し、ツケを未払いのまま軍人になった。
それから数々の武勲をあげ、将軍となり、第一統領となり、
いろいろあって最終的に皇帝になった。
そしてやがて、士官学校のあった町に行き、いつぞやの
果物売りの女を探し出し、ツケを払った。
利子として多額の金貨も一緒に。
それから、この町に来る度に自分が泊まる為に、と言って、
女の家も建て替えてあげた。
律儀なのかスケベなのかいろんな意味でいい話だと思う。
若い陸軍士官がとっさに「失礼しました」と罪をかぶった。
その後彼は異例の昇進をした。
ある国際会議で、日本代表がおならをした。
とっさに椅子の肘掛をこすって類似の音をだし、ごまかそうとした。
なんどかこすっていると、となりのインド代表がつっこんでくれた。
「最初の音がいちばん良く似ていましたな」
「派手な服装、アクセサリー着用禁止」の法令を出したが
さっぱり効き目がなかったので、法令に一文つけ加えた。
「ただし、淫売婦とスリはおかまいなし」
たちまちその日から法令が守られるようになった。
アメリカのとある少年が仔犬にヴィクトリアと命名し、
我ながら良い名だと思った少年は、ヴィクトリア女王に「陛下の御名をいただきました」と手紙を送った。
手紙を読んだ女王は少年の無邪気さを喜び、米国大使を通じてこの少年の身元を照会し、
「私の名を使っていただき嬉しく思います、その後ワンちゃんはお元気ですか」と返事を書いたとか。
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