引用元: ・胸がスーッとする武勇伝を聞かせて下さい!(116)
程よく田舎なので、駅の大きさの割りに、今の時期は利用者が少ない。
その日も、私以外には、部活帰りっぽい、日焼けした男子高校生のグループ10人くらいが隣の停止線に並んでるくらいで、人はまばらだった。
うわ~、陽炎出てるよ、とか思ってたら、明らかに幼稚園児以下の小さな女の子が、一人で走ってくる。
親が見当たらないのにビックリして、見渡してもやっぱり一人。
やがて、女の子は、男子高生達に行く先を阻まれる形で立ち止まった。
「ん?どうした?」
一人がヤンキー座りになって女の子に尋ねると、次々に男子が座り出す。
「お母さんは?一人?何歳?」
「質問攻めにすんなよ落ち着け」
「名前言える?何ちゃん?」
名前、に反応して、女の子は「あーちゃん!」とお返事。
「あーちゃんか~、いくつ?」
この質問にも「あーちゃん!」とお返事。男子達顔を見合わせ、「うん、あーちゃんだよね」と、苦笑。
「暑くない?平気?」
「あ、俺ポカリある」
「勝手に飲ませない方がいいだろ。アレルギーあるかもしれんし」
「うちわで扇いでやろうか」
「汗かいてるな。あー、でも綺麗なタオルねーわ」
などと、日焼けした坊主頭の集団にもてなされるあーちゃん。
(蛇足だけど、あーちゃん、あーちゃんじゃなかった。お母さんが叫んだ名前は、「みゆき」とか「あ」要素がなかった)
二階に改札がある駅なんだけど、あーちゃん、目を離した隙に、エレベーターかエスカレーターかで、ホームに降りてきてしまったようだった。
まさか一人で降りれるとは思わず、改札階で必死に探し回っていたそうだ。
あーちゃんママ、男子高生達に泣きながらお礼を言って、また改札階に登っていった。(ベビーカー置いてきてしまったそうだ)
その後は、「よく怪我しなかったな、泣かなかったな」と言いあった後は、何事もなかったように、男子達は談笑を再開した。
書きながら気づいたけど、彼らは、線路を隠すように、Jの字になって座ってた。あーちゃんが線路に落ちないようにだったのかも。
子供に関する悲しいニュースも多いし、頭ごなしに「最近の子は!」と言う人もいるけど、優しい子達も確かに存在するんだなぁとカキコ。
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