手口は主に仕事や用事で親が外出し、留守番をしている家に侵入し強引に乱暴するという手口で、判明しただけでも被害者は10人近くいた。
それ以外にも、男に乱暴されたと言い出せず泣き寝入りした被害者の人や親に訴え出ても世間の恥だと(当時はそういう空気がありました)言われ握り潰された被害もあり、実際はどれ程被害者がいたかは、私達でも詳しい事は分からなかった。
犯人は地元に住む主婦Aの知人の男Bで、Aが近所のネットワークから仕入れた情報を元にBがターゲットを決めて犯行を行い、その見返りにAが謝礼としてお金や犯行時の写真(Aは今で言うBL趣味があったとか…)を受け取っていたそうだ。
Bは逮捕されたが、当時は男性への暴行罪は無く(今でも無い?)、傷害罪として数年刑務所に入った後、あっさり出所してしまったらしい。
Aは警察からは厳重注意を受けたが無罪放免で釈放、何事も無かったかの様に「どうもご迷惑おかけしました~」と近所の輪に入ろうとして、被害に遭った子の親らにボコボコにされて逃げる様に引っ越したらしい。
Aは「止めて!○さないで!!」と、被害者の親に殴られている間、終始被害者面していたらしい…
でも、被害者の親を止めた私の母親によると、あのまま放っておけば本当に相手の身が危ない勢いだったとか。子供がいる身としては、私でも確実に同じ事をするだろう。
問題はその後の事だった。
被害に遭った子には同級生もいたんだけど、「男に乱暴された○○」として、腫れ物の様に扱われ、程なくして学校に来なくなったり転校していった。また、学校を卒業後、程なくして地元では相次いて自死を選ぶ元同級生や後輩の男子が後を絶たなかった。被害者とはされてない子もいたが、恐らく彼らは……と思うと色々やり切れない。
成人してからも、同年代で会って飲むと未だにこの話題になるし、実は被害にあっていたという後輩の男性は「男に乱暴されただなんて、とても恥ずかしくて悔しく、言い出せなかった。今でもあの時の事を夢に見てうなされる。女性とも付き合った事もあったが、トラウマが蘇り性行為が出来なくなり破局した。恐らく自分は一生独身だろう。どうして自分がいつまでも苦しまなければいけないのか……」と、酒のせいもあってか最後には号泣しながら告白された。
その後、転職するからと後輩は地元を去り、今では連絡も取れなくなってしまった。事件が起きてから時間は経ったが、今でも地元では傷ついた被害者達が当時の事を引きずって生きている。
でも特に彼らが救われる訳でも無ければ、救って上げられる手段も無い。私達が慰めの言葉をかけた所で、彼らが救われるのかどうかも分からない。犯人の罪も当時にしても軽いものだったと思う。
女性と比べ、男性の性犯罪被害があまりにも軽んじられてる事実を目の当たりにすると、どんよりした気分になってしまう。
年の瀬に地元の友人らと飲んでまたこの話題になり、気分が暗くなったので吐き捨て。
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